機能でかんがえる

遮音/吸音

マフラー用パンチングパイプ

マフラーとは自動車や二輪車などの排気ガス(排出ガス、排ガスともいいます)が外部へ排出される際の音を低減させる装置のことです。エンジンから連結されたパイプの後方部に配置されており、自動車であれば一般的に車体の下側にあります。後ろから見えるパイプ部分もマフラーの一部です。二輪車のマフラーは通常後輪横についています。

マフラーにはサイレンサーとしてグラスウールなどの吸音材を巻きつけたパンチングパイプが使用されており、音響消散(音の圧力波を減衰し力を分散させて消音させる)効果を得ています。パンチングパイプとはパンチングシートまたはパンチングメタルを筒状に丸め、繋ぎ目を溶接することにより成形したもののことです。

使用される材質としては耐食性に優れたステンレスチタン、耐食性は劣るものの比較的安価なが主流です。最近ではカーボン性のマフラーもあり、用途や要求性能に応じて材質が選択されています。

防音壁

防音壁はさまざまなシーンで発生する騒音を抑制させるために設置された壁のことで、例えば自動車や列車から発生する騒音への対策のために道路や線路のわきに施工されています。また、工場から出る騒音やビル屋上に設置された室外機から出る騒音を低減させるためにも使用されています。

構造的にはいくつかの層で構成されています。反射性防音壁では一般的にコンクリートやポリカーボネート、アクリル素材が用いられています。一方、吸音性防音壁では中間層に吸音材を配置し、正面板にパンチング加工された鋼板などを重ねて、中間層に配置されている吸音材の保護・支持体としています。背面板には孔が開いていないものを用い遮音の効果を追加します。

システム天井パネル

空調などの設備が整った高層の事務所ビルでは、フロアー内の天井面に照明、空調吹出口、スプリンクラー、火災報知機などのさまざまな装置や端末機器が取りつけられています。これらの装置機器の設置工事は複雑になるので、天井パネルの配置や施工方法も含めて合理的に設計したシステム天井の方式が多く用いれられています。

システム天井の1種に、断熱性能や吸音性能を持ったタイプがあり、これらはパンチング加工された金属板を用いた表面材とグラスウールを組み合わせることで提供できます。金属板素材としては加工性、軽量性、耐食性に優れたアルミニウムが適しています。

エンクロージャー(防音ボックス)

エンクロージャー(防音ボックス)は、工場内の発電機・送風機や各種設備など比較的大きな騒音の原因となるものの音を低減させるため、音源をまるごと覆って遮音効果を得る箱状の防音設備です。内部に充填された吸音材まで音を到達させ、その保護、あるいは、保持するために表面材としてパンチングメタルが利用されています。

サイレンサー

集塵装置や清掃工場向け換気装置など、短時間に大量の空気が通過する箇所では空力音が発生し周囲に漏れ出します。その騒音を低減する目的にサイレンサーが設置されます。

内部に充填された吸音材を保護し、保持するために表面にパンチング材が使われています。空気の流れを整えるために整流板を取りつけると、限られたスペースでも効率良く空力音を減らすことができ、騒音低減に効果を発揮します。

骨組みやパンチング加工する部材にめっき鋼板を使用し、内部の吸音材に撥水タイプのグラスウールを採用した上でリベットで組み立てたタイプのものは屋外での使用が可能となります。近年屋外に設置されるサイレンサーは、リベット組立タイプが主流です。また、金属素材としては高耐候性めっき鋼板が一般的になってきています。

より強度が求められるサイレンサー用途には製缶タイプのものがあります。製缶タイプのサイレンサーは基本的にが多く用いられ、錆が予想される場合には塗装をして防錆対応をしています。

天井吸音パネル

天井吸音パネルとは天井材に吸音性能を持つ素材を組み入れたもので、主に室内や屋根つきの屋外構築物の天井部分で使用されます。

特に、大型構造物や体育館などの内装材(主に床材)が音を反射しやすいもので構成されている場合、その室内(構築物内)では音が減衰しにくいため残響時間が長くなり、聴こうとしている声や音が聞こえにくい原因となります。この残響時間を短くする方法のひとつとして、室内などの天井部分に吸音パネルを用いる方式を挙げることができます。

吸音パネル内部にはグラスウールなどの吸音材が充填されており、表面にはパンチング加工された鋼板などが吸音材を保持・保護する目的で取りつけられています。

吸音効果との釣り合いをみつつ、パンチング加工の図柄によってデザイン性を持たせる効果も期待できます。